牛丼チェーンに打撃=米国産の関税引き上げ 政府の緊急輸入制限(セーフガード)の発動により、米国産の冷凍牛肉に対する関税が 8月から引き上げられる。牛丼チェーンには調達コストの上昇に直結するため、大きな 打撃となる。各社は影響を精査し、対応を協議している。 吉野家ホールディングスと松屋フーズは、牛丼に使用する牛肉の大半が米国産だ。 オーストラリア産などに切り替えることも検討課題に挙がるが、吉野家は「米国産の味が 牛丼にふさわしい。量的にも全店に安定供給できるのは米国産」と、米国産にこだわる 方針だ。 「すき家」を展開するゼンショーホールディングスは牛肉の産地の割合は非公表だが、 「収益に影響はある」。豚丼など牛丼以外のメニューを充実させ、影響を最小限に抑える という。 商品の値上げは、「消費環境を踏まえると難しい」(吉野家)、「企業努力により消費者 に影響が及ばないようにしたい」(ゼンショー)と各社とも慎重姿勢。しかし、コスト増の 度合いによっては、検討せざるを得なくなる恐れもある。 (時事通信)